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SKAdNetwork(SKAN)からAdAttributionKit(AAK)まで:Apple iOSアプリ内広告を成功させる7つのヒント

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Moloco
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October 16, 2024

モバイルアプリのマーケターとって、進化し続けるAppleの計測フレームワークを上手に活用することは、動く標的を追いかけているような感じかもしれません。

SKAdNetwork(SKAN)は、キャンペーン分析のためのプライバシーを重視したAppleのAPIで、これまでに何度か更新されています。SKAN 4.0では、より粒度の細かい顧客生涯価値(LTV)の計測や、Webからアプリへのアトリビューションが可能になりました。また、Appleが最近発表したAdAttributionKit(AAK)はSKANを基盤としており、複数のアプリストアをまたぐインサイトの取得やターゲットを絞ったリエンゲージメントが可能になるとみられます。

AAKの本格的な影響はまだ分かりませんが、SKANはモバイルアプリのマーケターとって、正確な計測と最適化を推進する上で依然として重要な役割を果たしています。今後のさらなる変化に備え、SKANの基本を再確認し、iOSアトリビューションの次のフェーズに向けて強固な基盤を確保しましょう。

SKANの基本:キーコンセプトの理解

2021年にSKANが導入されて以来、Appleは新機能や改良を加えた複数のバージョンをリリースしてきました。

  • SKAN 2.0:コンバージョン値が導入され、マーケターはインストール後のイベントに関するより詳細なデータが得られるようになりました。
  • SKAN 2.2:ビュースルーアトリビューションのサポートが追加され、クリックベースのインストール以外にも計測機能が拡張されました。
  • SKAN 3.0:マルチタッチアトリビューションに「did-win」パラメータが導入され、最終的なアトリビューションに影響したものの獲得できなかった広告ネットワークに関するインサイトが得られるようになりました。
  • SKAN 4.0:最も重要なアップデートで、階層的ソース識別子、粒度の粗いコンバージョン値、複数のポストバック、Webからアプリへのアトリビューションが導入されました。

SKANが機能するのに必要な基本的なプライバシー保護メカニズムがいくつかあります。

  • ポストバックの遅延:ポストバックとは、広告の露出とコンバージョンイベント(アプリのダウンロードやアプリ内課金など)を結びつける、広告サーバー間の一連のイベントデータです。ポストバックの遅延(バージョン4.0では最大72時間)は、ユーザーの匿名性を確保するのに役立ちます。
  • クラウド(集団)の匿名性:モバイルアプリのマーケター向けのインサイトは、ユーザーの特定を防ぐため、インストール数に応じた一連の階層的なプライバシーしきい値に基づいています。インストール数が増えるにつれ、より詳細なパフォーマンスデータの利用が可能になります。
プライバシー・インフラ: SKAN 4.0データの基礎となる4層のクラウド匿名性

SKANは、モバイル計測パートナー(MMP)のアトリビューションフレームワークとは異なるものの、補完的なアトリビューションフレームワークを提供します。SKANのアトリビューション期間は広告の種類によって異なり、StoreKitでレンダリングされた広告では30日間、StoreKitでレンダリングされない広告では24時間のルックバックが可能ですが、MMPによる確率的アトリビューションでは通常、クリックスルーでは7日間、ビュースルーでは24時間のアトリビューション期間が使用されます。

留意点:SKANとMMPは相互に排他的ではありません。実際、1件のアプリインストールをSKANとMMPの両方で同時にアトリビューションすることができ、キャンペーンパフォーマンスをより包括的に把握することができます。

マーケターが知っておくべきSKANに関する重要なポイント

SKAN(および今後展開されるAAK)のようなプライバシーフレームワークへの対応は複雑ですが、特定のガイドラインに従うことで、キャンペーンのパフォーマンスを向上させることができます。これらのベストプラクティスを実践することで、iOS独自のモバイル広告アトリビューション向けに最適化し、その進化する機能に適応できるようになります。

1. 規模の小さいキャンペーンを統合して大規模なキャンペーンにする

「クラウドの匿名性」と呼ばれるSKANのプライバシーしきい値メカニズムによって、小規模なキャンペーンが大きな影響を受ける可能性があります。このプロトコルによって、アプリインストールのポストバックが所定のしきい値を超えるまで「NULL」のコンバージョン値が送信されるためです。以下を実行することで、このような影響を緩和することができます。

  • 小規模なキャンペーンを組み合わせる:ボリュームの少ないキャンペーンを大きなキャンペーンに統合することで、プライバシーしきい値を一貫して超えられる可能性が高まり、より多くのデータを得ることができます。
  • 1日あたり20~25件のインストールを目指す:「NULL」のコンバージョン値を最小限に抑える上で、これは非常に重要です。アプリごと、SKANキャンペーンIDごと、SKANバージョングループごとにこの目標を達成できるようにします。
  • 粒度とボリュームのバランスをとる:統合は大切ですが、重要なオーディエンスセグメンテーションを失うことなく、最適化のために十分なデータが得られるバランスを見つけます。

キャンペーンを統合することで、価値のあるコンバージョンデータが得られる可能性を高め、最適化と広告費用対効果を向上させることができます。

2. 予算変更時にポストバックの遅延を考慮する

特にSKAN4.0では、組み込まれたポストバックの遅延により、予算管理が複雑になる可能性があります

  • 遅延の影響を想定する:ポストバックの遅延により、予算の変更はすぐにSKANの指標に反映されません。およそ2~4日後に影響が現れると考えてください。
  • 72時間のルックバック期間を使用する:データが遅れる可能性があるため、少なくとも72時間待ってからキャンペーンの指標を確認するようにします。この期間によってSKANやAAKのポストバックのランダムな遅延を考慮し、分析に必要なデータセットを十分に確保できます。
  • 予算削減を慎重に行う:予算の削減が 顧客獲得単価(CPA)の上昇につながる可能性があります。これは、プライバシーしきい値の影響によるNULL値の増加に起因します。

予算を調整する際は、大きくシフトするのではなく、小さな変更を段階的に行うことをご検討ください。このような慎重なアプローチは、各変更の影響をより正確に評価するのに役立ちます。

3. 無属性データを含む全イベントレベルのデータを共有する

広告パフォーマンスを最大化するために、モバイルマーケターは可能な限り多くのデータを収集する必要があります。Molocoのような広告パートナーは、ユーザーのコンバージョンを予測するために機械学習(ML)モデルを使用していますが、帰属イベントと無属性イベントのデータは共に重要なトレーニングサンプルであり、両方を使用することでキャンペーンの効果とユーザー体験を高めることができます。

MLモデルに包括的なデータを提供することで以下が可能になります。

  • より正確な予測を実現:コンバージョンがアトリビュートされているユーザーだけでなく、すべてのユーザーに基づいてMLモデルがリアルタイムで調整を行うことができます。
  • より効率的にコンバージョンを促進:キャンペーンを実施する前にMolocoがお客様のデータに基づいてモデルのトレーニングを開始できるため、最適化のスピードとクリック率を向上させ、Time to Value(TTV:価値実現までの時間)を短縮できます。
  • プライバシーを保護しながらデータの粒度を向上:MLモデルのトレーニングに必要なデータの粒度と精度がSKANの断片的なポストバックによって制限されるギャップを、無属性データで埋めることができます。

4. StoreKitレンダリング広告を有効にする

StorekitはAppleのすべてのプラットフォームにおけるデジタル商品やサービスのアプリ内購入のためのシンプルで安全なフレームワークです。StoreKitによってレンダリングされる広告はAppleのApp Storeの拡張として機能します。これらのクリエイティブ要素によって、ユーザーはエンゲージしているアプリ内エクスペリエンスから離れることなくシームレスにプロモーション対象のアプリをダウンロードできるようになるため、UXが向上します。

StoreKitによってレンダリングされる広告は、SKANフレームワークにおいて大きなメリットをもたらします。

  • ストアページのポップアップとSKOverlay:フルスクリーンのインタースティシャル広告とStoreKitによるバナーオーバーレイ広告をそれぞれ表示できます。これらはアプリ内のインタースティシャル広告在庫で広く使用されています。
  • アトリビューション期間の拡大:ビュースルー広告ではアトリビューション期間の標準が24時間であるのに対し、StoreKitによってレンダリングされる広告の場合、デフォルトで30日間のルックバック期間が設定されています。
  • SKANパフォーマンスの向上:社内データによると、SKOverlayによってSKANで報告されるインストール数が最大30%増え、ストアページのポップアップによってさらに10%増加できる可能性があります。

StoreKitを使用する広告はSKANマーケティング戦略における重要な要素のひとつです。これらの互換性のある広告フォーマットをキャンペーンで利用することによって、リッチメディア広告のレンダリングと、より長期間のルックバックの機会を最大化できます。

5. SKANの下位バージョンと無属性のトラフィックを除外する

すべてのSKANトラフィックが同じように作成されるわけではありません。キャンペーンを最適化するために以下をお勧めします。

  • 古いSKANバージョンを無効にする:2024年2月現在、アプリ内在庫の94%がSKAN 3.0と4.0をサポートしています。これらのバージョンはより詳細なインサイトと高度な最適化を提供するため、これらにキャンペーンを集中させることで、旧バージョンよりも豊富なパフォーマンスデータを活用して効率よく成果を達成ことができます。
  • SKANの無属性トラフィックを無効にする:計測できないトラフィックをすべて無効にすることで、予算をより効率的に活用し、学習と最適化を行うことができます。Molocoの広告プラットフォームでは、シンプルなオン/オフの切り替えだけでマーケターがこのステップを設定できます。

モバイル広告の予算を最も効果的なiOSトラフィックに集中させることで、各キャンペーンでより多くのインストールを促進し、ユーザー獲得コストを下げられる可能性があります。

6. SKAN 4.0のコンバージョン値マッピングに移行する

SKAN 4.0の新しい階層構造でコンバージョン値のマッピングを見直し、最も価値のあるユーザーアクションを確実に捉えられるようにします。SKAN 4.0では、以下の新しい機能を含む最大3種類のポストバックが可能です。

  • 粒度の粗いコンバージョン値:2回目と3回目のポストバックで、粒度の粗い低・中・高の新しい値を使用して、長期的なコンバージョンデータを取得します。
  • 柔軟なロック期間:計測パートナーのアドバイスに基づいて、ロック期間を使用するかどうかを決定します。一般的に時間ベースよりも、重要なパフォーマンス指標(KPI)のイベントベースでロックすることを推奨します。
  • 詳細な業界ガイド:AppsFlyerAdjustSingularBranchKochavaなど、ご利用のMMPが提供する、最新のSKAN 4.0に関する設定オプションをご確認ください。

SKAN 4.0の強化された機能を採用することで、長期間にわたるユーザー行動をより詳細に把握し、LTVベースのユーザー獲得モデルの精度を向上させることができます。

7. ユーザーのATTオプトイン率を高める

App Tracking Transparency(ATT)にオプトインするユーザー数を増やすことで、ターゲティング機能を大幅に強化できます。

  • ATTプロンプトを戦略的に表示する:通常、オプトイン率が高くなる最初のアプリ起動時に表示することをお勧めします。
  • ユーザー中心の表現を使用する:パーソナライズされた体験や無料コンテンツのサポートなど、オプトインのメリットを強調します。ユーザーデータがどのように使用され、保護されるかについて透明性を持つ必要があります。
  • 多様なアプローチを試す:オプトイン率を向上させるために、さまざまな戦略を継続的に試します。例えば異なるメッセージング、タイミング、プロンプトに使用するユーザーインターフェイスのデザインなどが挙げられます。

オプトインしたユーザーのデータは、SKANへの対応を補完し、より正確な広告ターゲティングを可能にする重要なユーザーレベルのトレーニングデータとなります

SKANへの対応に向けたアクションプランの構築

Appleがプライバシーを保護するアトリビューション方法を改良し続ける中、マーケターがこれらの変更に関する最新情報を認識していることが非常に重要です。Appleは新たにAdAttributionKit(AAK)を発表しましたが、これはプライバシーを優先するSKANのフレームワークが基になっているため、iOSでの成功を促進するためにSKANの基本が依然として重要であることに変わりはありません。私たちはAKKの採用状況とその他の新たな発展を注視し、ベストプラクティスを更新し続けます。

Molocoは、SKANを活用しすると同時に未来のイノベーションに備え、300万を超えるモバイルアプリオーナーのビジネスの成長を支援しています。

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